「やれやれだね」


とセンリは自分のグラスに氷を入れながら笑っている。

私には少し乾いた笑いにも見て取れた。


「センリは何の仕事してるの?」


「俺は学校の教師だよ」


「え!?先生!?」


意外過ぎて口が開いてしまった。


「と言うのは建て前で、この国の歴史について研究してる」


「てことは・・」


「一応考古学者ってやつかな」


「すごっ!」


「凄くない。ただの歴史オタク」


「いや、凄いでしょ」



私の言葉を理解出来るし、話す事も出来るんだもんね。

興味がないと無理な仕事だもん。



「だから、ヒオリが過去の人なのに何故ここに来てしまったのか。それは俺にとっての課題になったよ」


「私が・・?」


「それを解読していく事に生きがいを感じるね。ヒオリとの遭遇は実は嬉しいんだ。こんな事言ってごめんな。大変なのに」



なんだか口説かれている様な錯覚に陥った。

いや、気のせいなんだが。

イケメンに見えてしまっているからかな。