ずっと、慢心があった。

ギンは絶対に私からは離れないって。

宴の時にも不安はあったけど、お互いを抱きしめ合って愛を誓い合ったら絶対に大丈夫だとそう信じていた。

どんなに美女が現れても、どんなにギンがモテてもきっと私を選んでくれて、うざいくらいに離さない。

そう、慢心していたんだ。



でも、そうじゃなかった。

簡単に私は飽きられてしまったんだ。

いとも容易く。

私が曖昧な態度を取ってしまったせいで。



ガシャン!!!

そんな事を思っていたら、テーブルに置いてあったお皿を割ってしまった。


『もっとあの人を大切にすればよかった』


後悔先に立たず。

どうして私は変わる事が出来ないんだろう。

こんなにも不器用で。何度もあの人を怒らせてばかり。


「ヒオリ?」


ハッ・・。


「ご、ごめんなさい」


センリに呼ばれようやく我に戻った。