「ヒオリ」


ふわり。

と、私の肩に上着をかけたのは。


「セ・・ンリ」


背後から肩を抱れたけど、抵抗なんて出来る訳なかった。

もう私の顔はボロボロのぐしゃぐしゃで。



「どうして・・?」

「トキワ様とひと悶着あって。出て行くって」

「そんな・・なんで・・ギン」


私は耐え切れずセンリの胸にすがってしまった。


「ねえ?私の事は・・どうでも・・よくなったのかなぁ・・」


「ヒオリ・・」


「あんなに・・好きって・・いってた・・のにさぁ・・ひっ・・うぅ・・」


涙がとめどなく溢れる。

酷い醜態だ。

もうきっと飽きられた。めんどくさくなってしまったんだ。

私という存在が。

きっとそうだ。

だって、そうじゃなかったらいつも通りの笑顔を向けてくれたハズだもん。

置いて行ったりしないもん。

ずっと傍にいてくれるハズだもん。