ダッシュで廊下を走っていると、庭が見えてきた。

確か、イタルさんとギンが前に休憩していた場所だ。


「ギン・・何処・・」


息が切れ、立ち止まった。


「王妃様!」


「え!?」


侍女達に囲まれた。

しかも6、7人くらいいる。


「お伺いしたい事があるのですが!!」


とすごまれる。

ギンの親衛隊か何かかしら?そんな雰囲気だ。


「な、なんですか」


おどおどしてしまう。

この人達の形相が怖い。綺麗なだけに。


「ギン様を弄ぶのはおやめください」


「・・へ?」


「あなた様にはトキワ様という立派な方がいらっしゃいます」


「あ・・」


「ギン様は確かにイケメンですわ。でも、つまみ食いは駄目です」


つまみ食いって。そんな事してないっての。


「し、してません」


「では何故いつもギン様と一緒に!?」


ヤバい。怖い。てか、今の私にはサラッと交わす余裕がない。


「それはえっと、家族というか・・なんというか」


「家族?」


「一緒に暮らしてたから」


「くくく、暮らしてた!?」


侍女達の目が更に鋭くなった。


「ていうか、ギンの事が好きで」


「好き!?」


あああああああ。
私、口ベタなのよ。マジでホント誰か助けてええええっ


自分の下手さ加減に、泥沼にハマって行く感じになってしまった。