私はギンの横に正座した。

体が勝手に動いた。

ギンのしかめ面が頭上にあると思うだけで冷や汗だ。


「ギン・・ありがとう!!!」


私は思いっきり床に頭を擦りつけた。


「・・・」


流石にちょっと引かれたのか、ギンもセンリもカサネもしんと静まり返ってしまった。

男らしすぎたかもしれない。女なのに。



「私、ギンのおかげで命拾いしました!!しかも二回も!!」


「・・おう」


「本当になんとお礼を言ったらいいかわかりません!!」


人生でこんなに声を張り上げた事ない。

でもなんとかこれで収まって欲しい。

ギンは怒りが静まったのか、私の腕を持ち上げた。

眉が困っている。


「わかった。わかったからよ。ソレ止めろ」


「そうだ!ギン、お酒とか好き?」


「あ?ああ」


「じゃあ今から注いで上げる!」


私は完全に機嫌取りに走った。でもそれで機嫌直してくれるなら手っ取り早い。


「・・ふーん。まあ、良いぜ。お前から積極的に来るなんて信じられない進歩だしな」


ギンの顔はいたずらそうに笑っていた。

そしてジロリとセンリの方へ視線を向ける。


「センリはまだ許してないけどな」


「わかったよ。じゃあ俺のとっておきの酒開けていいから」


「お!?マジか!アレ狙ってたんだよ」


狙ってたんかい。


でもこれで少しはギンの機嫌は直ったみたいだ。

一安心。