そして同時刻、時空転送装置へと向かったギン達はキリエという男と対峙していた。
キリエの横には教授が怯えながら立っている。
鎖で手を繋がれているのが見える。


「センリ君か?」


「教授」


「何だ?知り合いか?」


キリエは首を傾げる。


「どうでもいいが、俺達の邪魔はしないでくれ?大切な任務だ」


センリも対抗して口を出す。


「俺達もだ。ここは大切な場所だ。関係者以外立ち入り禁止。お前は部外者だろう」


「と、言う事は関係者なんだな?ちょうどいい」


「・・・」


キリエはどうやらセンリを知らないという事は、センリを殺そうとした者ではないらしい。


そう話している隙に教授は装置の起動装置へ手をかける。


「教授!?何を!?」


「使えるかどうか再確認している」



キイイン・・・と音を立て、装置は光り出した。



「教授、やり方を知っているんですか?」

「何を言う、お前が私に教えてくれたじゃないか」

「え・・?」


センリは目を丸くする。

そんな記憶は一切ないのだ。

そうなったら方法は一つ。


「教授、一緒に来てもらいます」

「センリ君!?」



センリが教授の手を掴むと、首に突然刃の切っ先を突きつけられた。

キリエだ。


「おっと、馬鹿な真似するな」


「・・・」


「お前もな」


とキリエの背中にも同じように剣が突きつけられた。

ギンだった。


キリエは剣を戻すとそのままギンに刃を向けた。



「俺にソレを向けるとは。死に急ぎたいらしいな」


「お前、厨二病かよ。そんな喋り方して、恥ずかしいヤツ」


とギンはからかうように剣を交わす。


「ぬかせ」


「!」



ギンの肩が破けた。

太刀筋が全く見えなかった。

ギンは正直ヤバいと思った。

額に汗がにじむ。



「やるじゃん・・厨二」


「殺す」