城の門に向かうと、今朝出立した隊たちが大勢いた。

トキワ様も指示している。近くにセンリの姿があった。

兵士達は座りこんでいる者、横になっている者など様々だ。

軽傷の者もいれば重症の者もいる。



「ギンどこ・・」


不安に駆られながら私はギンの姿を探した。


「ヒオリ!あれ!」


ナギの指差す右手の方向に横になっているギンを見つけた。


「ギン!!」


私はギンのもとへ駆けつける。


「ひっ」


ギンの肩から真っ赤な血がにじんでいた。

服の下からジワジワ染みている。

思わず悲鳴を上げてしまった。


「よぉ。ただいま」


元気そうに装ってギンは笑う。

でも嘘だ。絶対痛そう。


「ちょっと不意をつかれちまってな」


「誰にだ!?なんでこんな事に?」


ナギは悔しいのかギンの姿に怒りを露わにしている。


「順を追って説明してやるから、急かすな・・よっと」


横になっていた体を起こしたので私は背中を支えた。


「ギン・・」

私は泣きそうで、グッと下唇を噛んだ。


こんな酷いケガするなんて・・やっぱり危険な場所だったんだ。


ギンは私の唇に左手で指を添える。


「こらヒオリ、唇噛むな。血出たら俺がちゅー出来ねえだろ」


「こ、こんな時まで馬鹿言ってないでよ」


「でもこれがいつもの俺だろ?」


「ぅ~~」


くそぉ。そんな事言われたら堪えきれないじゃん。

涙でちゃったよ。