私はリビングに向かう。


それを少し離れて後ろからナギがついてくる。


「お、ヒオリ。ナギも」


ソファーに深く腰掛けているギン。

グルグル巻きにされているカサネ。

テーブルの反対側にあるソファーにセンリが座っていた。


センリは察しが良いのか、すぐに何か起こる予感がして笑いを堪えている。


「今な、カサネにお前の事を話していた」


「え?」


カサネに目をやると、ウルウルとした瞳で私を見つめている。


「ヒオリちゃん。可哀想な子だったのね。私ったらつい勘違いして・・ごめんなさい」


「え・・」


拍子抜けしすぎて何も言えなくなる。


「何処にも帰る場所もないし見つかったらピンチなんでしょ?」


「え・・ええ、はい」


「私ギンの事になると、ちょっとおかしいくらい勘違いしちゃうみたいで」


みたいでって、いい加減気が付けよ。

と喉元まで出かかったが、グッと堪えた。

私はカサネに誤解だと告げる。笑顔で。



「私、まったくギンには興味がないんで。安心してください。」


「ひでぇ・・」



それを聞きすぐさまギンはショックを受けていた。

いやいや、こう言っておかないとまた大変でしょうが!!

ていうか事実だし!!




「そうなのね。良かった」



カサネはとても嬉しそうだ。