「知らない!馬鹿!ふんっ」


私は怒りに任せて逃げた。

なんか敗北感というか、ギンは私だけが好きっていううぬぼれもあったかもしれない。

でもそうじゃないかもしれないって思ったら、不安で気が気じゃなかった。

ただでさえモヤモヤしてるのに、鈍感ぶるんじゃないってのおお!


「まてよヒオリ」


とナギが追いかけて来てくれた。

ギンはその行動に立ち尽くしたまま。



「ありゃ・・」


ギンは少し焦りながら頬を掻いていた。


「何だギン、ヒオリちゃんどうした?」


「嫉妬してくれた・・ぽい」


「え・・それって・・」


イタルさんの顔が歪んだ。


「ヒオリと・・・な。」


ギンは嬉しそうに言った。


「はあ!?お前・・それ首飛ぶやつだろ!?ふっざけんなよどうすんだ今後!」


「ふざけてねえよ。大真面目」


「でもそれってトキワ様は・・」


「今は知らない。でも、ちゃんと言う」


「マジか・・お前、終わったな」


「終わってねえ!」


イタルさんは結構青ざめていた。

大真面目で首が飛ぶかもしれない相棒を目の前にして。