若い侍女達は遠巻きから噂をしているみたいだ。

ファンクラブの人達か、あなた方は。


「一度奥の宮に来た時から思ってたけど、本当にカッコいいわよね」


「ええ、顔も整ってるし、体格も筋肉質で逞しいし」


「仲良くなれないかしら・・」


「恐れ多いわよ」


「私達じゃ相手にされないわ」



何やら聞こえてくる声に私の体はむず痒くなった。

ナギは馬鹿にしたように笑ってたけど。


「あの女達、なんにも知らねえから言えるんだよ。私生活とかな。ハハ」


「ナギ・・うん・・そうだね」



でもねちょっとねモヤモヤしてるよ。

他の誰かにギンを取られてしまうのを想像してしまった。

恋する乙女か~い。と自分にツッコミを入れたい。


戸惑っている様子の私をナギは察してくれたみたいだ。


「どうする?」


「別の道から行けないかな・・なんか気まずいし」


「それもそうだな」


と立ち上がったが、その瞬間に一気にバレた。



「あら?イザナギ様にヒオリ様?こんな所でどうなさったのですか?」

と侍女達に気づかれてしまった。


「あ、いや・・別に・・」


なんてこった。

ギンとイタルさんがそれに気が付きこっちを見ている。