「遅いから来た」


ナギ!!!

ヘルプミーーー!!!


入ってきたのはナギだった。

しかし自分の事は一瞬にしてどうでもよくなってしまった。


「ナ・・ナギ・・・」


ナギが正装してる。

きっと見たら笑いがこみ上げてくると思ってたけど、笑いは消え去った。


「なんだよ」


と不貞腐れているナギの顔。

死んだナギのお兄さんにそっくりだった。

服を着るだけでこんなに似てるなんて。

腹違いの兄弟って聞いていたけど、凄いな。

目に掛かっていた前髪も短く整え、軽く散髪もしたらしい。

別人のようだ。


トキワ様は頷いている。


「なかなかに似合っているぞ」


「皮肉をどうも。俺は見た瞬間吐き気がしたぜ。兄貴に似ててな」


ナギ本人もそう思うんだ。


「ていうか、ヒオリお前・・・」


「え?」


「馬子にも衣装ってやつだな」


皮肉はあんたや。