トキワ様が連れて行ってくれたのは城の奥にある大きな部屋だった。


「ここ・・」


「懐かしいか?ナギの部屋だと聞いている」


「え!?そうなの!?」


扉の前に3人の侍女さんがトキワ様に対して最敬礼をしている。


「トキワ様、準備は整っております」


「ああ、助かる。ナギ、入れ。支度をする」


「へ?」



まさかと思ったが、私の予感は的中した。


「王子様に変身しちゃうの?ナギ?」


「はあ!?///」


突然の事にナギは顔を真っ赤に染めた。

トキワ様は至って無表情で言う。


「身だしなみくらいはちゃんとして欲しいと、さっき言ったはずだ」


「で、でも・・」


心の準備が出来ていないらしい。


「いいじゃん、ちょっと見てみたいな私」


「お前、面白がってねえ?」


「そ、そんな事」


「目が泳いでる」



図星です。


「ヒオリはこっちに用意してある。支度が終わったらナギは部屋で待っているがいい」


とトキワ様は私の手を引き別の部屋に連れて行ってくれた。


「今日だけだかんな!」


と大きな声でナギは言って部屋に入っていった。