場の空気が持つわけがない。

なんでナギは私を奴隷になんてしたのだろう。

そりゃなんでもするって私が言ったんだけどね。


「あ・・の・・」


耐え切れず声を発した私を、ナギはジロリと目だけで睨んできた。


「た・・助けてくれて本当にありがとう」


「・・ふん」


ナギはそう言って本を読み始めた。


気まず過ぎて辺りを見回す。


本当に何にもないガランとした部屋だ。


私が何故隠れられたかと言うと、ドアの横に隠し戸棚があって、そこにナギが入れてくれたんだ。


だから本当に感謝はしている。


昨日は殺されそうになったけど。


実はいい子なのかもしれない。


「汚物がいるってだけで空気がまずいな」


前言撤回します。