「立ち話もなんだから、話相手になってくれない?何処かで」


私とナギは顔を見合わせ、頷いた。

寂しいのは嫌なのを私達は知っている。


「そしたら、6階にでかいバルコニーがあるぜ。外の方が空気もいいだろ」


ナギ。なんて気が利くの。尊敬したわ。


「ナギ君はココに住んでたんだっけ」


「ああ、だから城の内部は全部知ってる」


「頼もしいな」


「・・別に」


とナギは照れくさそうに前を歩いてくれた。



私はつい笑ってしまいそうになって口を抑えながら歩く。

だって、兵士さん達がナギを見つけると深くお辞儀をするから。

本当に王子なんだなーって。