「ヒオリ、ワガママ言うな」


ギンが私を座らせる。


「だって・・言い出したのは私だし」


「もうお前達だけの問題じゃなくなってるんだ。この日輪自体の問題に発展しようとしてる。お前が言い出さなくても、俺達が言い出す」


「そうだよヒオリ」


「・・センリ」


「俺がお前を呼んだのには理由がある。トキワ様の為だけに呼んだんだ。だが、今回は違う。裏で誰かが世界を改ざんしようとしているんだ」


「・・・」



解ってる。

解ってるんだけど。


私は思わず瞳を潤ませてしまった。

気が付いたギンはすぐに私の頭を撫でてくれる。



「大丈夫だって。俺の仕事っぷり知らねえから心配になるんだよ」


「だって・・」


「では、やってくれるな?ギン」


と、すかさずトキワ様は言った。



「ええ。わかりました。詳しい話をイタルとさせて下さい」


「ああ。イタルなら城にいるハズだ。呼ぶがいい」



どんどん話は進んでいく。

私はただ、涙を流さない様にグッと歯を食いしばって俯いた。


隣に座っていたナギが私の手を握ってくれた。


「大丈夫だ。ギンを信じてやれよ」


「・・うん・・」


信じてるよ。

もちろん。