トキワ様の目つきが鋭くギンを刺した。

突然だ。


「ギン、お前には前線で動いてもらいたいのだが」


「・・俺が?」


「お前はこの東の隊を統べていた経験がある。信頼のある仲間も沢山いるだろう。
隊を率いて北東にあるという時空転送装置を探ってきてもらいたい。もちろんセンリと一緒にな」



ドクン


と嫌な動悸が私を襲った。


「他の人間では不足だと?」


「ああ。お前は人一倍ヒオリを想っているだろう。だからそれを力に変えてみせよ」


「・・・・」


「私からヒオリを奪還した力があるのだから出来るハズだ」




とてつもなくシビアな状況に、ツムギさん達はたじろいでいた。

ギンは一番私から離れたくないだろうと皆そう思っていたから。

そして私もギンから離れたくない一心だった。


「私も行きます!」


「ヒオリ?無理に決まっている。危険な場所だからこそギンに頼んでいるんだぞ」


トキワ様もセンリもとても険しい顔で私を見つめた。


「でも・・私も装置を目で見てみたいし」