「今朝の新聞は皆読んだか?」
「はい」
と答えたのはギンだけだった。
ギン以外は私も含めて全員読んでないみたいだ。
「今朝、一番のトップニュースになっていたのは・・『過去から来た人間。』という見出しだ」
「!!」
全員の目つきが鋭く変わる。
「今、各地で動物化出来ない人間がいると報告が上がっている。ヒオリやツカサの他に、数人この時代へ送り込まれた者たちがいる」
私は西の国でぶつかった女の人を思い出した。
「それって・・」
「つまり、記事に上がってしまっているということはこの世界全体規模の事件になったという事だな」
「他には何か書いてありませんでしたか!?時空転送装置の事は!」
とツカサさんが身を乗り出す。
「いや、装置の事はまだ載ってはいないが・・時間の問題だな。
このままいけば世界全体がこの事を知り・・各国の王と王が会議を行い・・
審判が下されることになるだろう」
「そんな・・・」
その会議でもし他の王がOKを出してしまったら、次々と過去の人間が送り込まれることになる。
「そんな事になったら未来がどんどん変わっていくんじゃないですか?
今より少し前の過去も変わってしまう・・そして生まれなくなる人間もきっと現れる。存在自体がなくなる」
とギンが私の言いたい事を代弁してくれた様だった。
もしかしたら既に私の子孫の存在は抹消されているかもしれない。
トキワ様は静かに頷く。
「ああ。それも起こりうる。数人過去の人間が来たところでさほど全体は何も変わらないかもしれんが
世界全体でそれを行ったら『過去のその後の時代』が改変されてしまうだろうな。この時代も支障が出るかもしれん。
ある日突然私が消えてしまったり、皆も消えてしまうかもしれない」
センリもそれに深く頷いている。
「もしそれが始まれば、もちろん女性ばかりが狙われるでしょうし。過去のバランスが完全に崩れる」
「ああ。過去でももっとも人数の多い時代の人間を送り込んでくるだろうと私は睨んでいる」
「それが俺達のいた時代って事ですか?」
焦るツカサさん。
私は思わず声を荒らげた。
「絶対に止めましょう!やっぱりこんな計画おかしい!人類にとっていいとは思えません」
「ヒオリ・・」
「人はその時に生まれた瞬間から人生が始まるのに・・それを歪めるなんて絶対駄目だよ」
「うん。俺もそう思うよ」
「ツカサさん」
「俺は自分が帰る事ばかり考えていた・・少し恥ずかしい。そんな事よりも大変な事が起きようとしているんだな。目の前で」
「・・その通りだ」
全員が同じ気持ちで頷く。まっすぐな瞳で。
「はい」
と答えたのはギンだけだった。
ギン以外は私も含めて全員読んでないみたいだ。
「今朝、一番のトップニュースになっていたのは・・『過去から来た人間。』という見出しだ」
「!!」
全員の目つきが鋭く変わる。
「今、各地で動物化出来ない人間がいると報告が上がっている。ヒオリやツカサの他に、数人この時代へ送り込まれた者たちがいる」
私は西の国でぶつかった女の人を思い出した。
「それって・・」
「つまり、記事に上がってしまっているということはこの世界全体規模の事件になったという事だな」
「他には何か書いてありませんでしたか!?時空転送装置の事は!」
とツカサさんが身を乗り出す。
「いや、装置の事はまだ載ってはいないが・・時間の問題だな。
このままいけば世界全体がこの事を知り・・各国の王と王が会議を行い・・
審判が下されることになるだろう」
「そんな・・・」
その会議でもし他の王がOKを出してしまったら、次々と過去の人間が送り込まれることになる。
「そんな事になったら未来がどんどん変わっていくんじゃないですか?
今より少し前の過去も変わってしまう・・そして生まれなくなる人間もきっと現れる。存在自体がなくなる」
とギンが私の言いたい事を代弁してくれた様だった。
もしかしたら既に私の子孫の存在は抹消されているかもしれない。
トキワ様は静かに頷く。
「ああ。それも起こりうる。数人過去の人間が来たところでさほど全体は何も変わらないかもしれんが
世界全体でそれを行ったら『過去のその後の時代』が改変されてしまうだろうな。この時代も支障が出るかもしれん。
ある日突然私が消えてしまったり、皆も消えてしまうかもしれない」
センリもそれに深く頷いている。
「もしそれが始まれば、もちろん女性ばかりが狙われるでしょうし。過去のバランスが完全に崩れる」
「ああ。過去でももっとも人数の多い時代の人間を送り込んでくるだろうと私は睨んでいる」
「それが俺達のいた時代って事ですか?」
焦るツカサさん。
私は思わず声を荒らげた。
「絶対に止めましょう!やっぱりこんな計画おかしい!人類にとっていいとは思えません」
「ヒオリ・・」
「人はその時に生まれた瞬間から人生が始まるのに・・それを歪めるなんて絶対駄目だよ」
「うん。俺もそう思うよ」
「ツカサさん」
「俺は自分が帰る事ばかり考えていた・・少し恥ずかしい。そんな事よりも大変な事が起きようとしているんだな。目の前で」
「・・その通りだ」
全員が同じ気持ちで頷く。まっすぐな瞳で。