「そういや、ナギ様は王子なんだったな。この城に住んでたんだろ?」


「あ?ああ・・」


ギンはいつも通りの空気を読まない発言をする。

だけどナギもそれに対して普段通りに返している。

この二人はなんだかんだ仲がいいと私は思う。



「他の兄弟も兄貴に殺されたりして、残ったのは俺だけだな」


「えげつないな・・」


「だな」


10人王子がいてナギしか生き残らないなんて。

まるで古代王家の話だ。

私は昔読んでいたとある帝国の漫画を思い出した。

帝位につけない皇子は殺されるという。

恐ろしい。



「凄いね・・ナギ・・」


「なんも凄くねえし。10才までしかいなかったし」


と、つれない態度だ。

なんかごめんなさい。

やっぱり触れてはいけないデリケートゾーンだったか。


「今は女達も解放されて、住みやすくなったんだろ?いいんじゃねえ?」


「それは・・そうだね」


そのおかげで私も堂々と歩けてるしね。