「でも、迫ってみてよくわかったわ。何もしてこないなんて・・誠実極まりないもん。やっぱりナギ君、良い」


「・・・」


クレハちゃんはそう信じているみたいです。

私は何も言えません。

ナギが15才でいかがわしいお店に通っていたなんて。

口が裂けても言えません。



その代わりにギンが言った。

「ナギ・・ってそんないいかな?そんな誠実じゃねーよ?」


「いいでしょう!イケメンの分類だよ!っていうかあの人王子じゃなかった!?」


「あ、忘れてた。その設定」


ギン・・設定て。


「まあ、ツカサほどじゃないけどね」


「そうなんだ・・」


まだまだ未練があるみたいです。


「はあ・・明日が憂鬱」


と言ってクレハちゃんは私が使っていたベッドの部屋のドアを開けた。


「あ。お部屋借りてます。ナギ君、寝るときは部屋に入れてくれないんで」


「え?そうなんだ・・」


本当にクレハちゃんに手出ししてないんだ。

なんか感動。


「お二人は同じベッド?羨ましいですね。ではおやすみなさーい」


バタン。



「クレハちゃんの性格が良くわからない」


ツンデレ・・いや、ツンツン・・・サバッとしてたな最後。




がくん。

と肩を落としていると、私の表情が面白かったのかギンはずっと笑ってる。



「クレハも色々考えてんだな。まあ、そうだよな」


「うん・・」


ツカサさんは帰りたいって気持ちは揺るがないハズだもんね。


愛する奥さんと子供がいるのなら。