「ギン、てめえ!ぶっ飛ばす!!」


「相変わらずだな、もう聞き飽きた」


「るせえ!!!ヒオリがお前を好きになるわけねえんだっての!!」


「はあ?なんでだよ」


ブンブンとナギが繰り出すパンチを紙一重で交わしていくギン。

慣れた手つきだ。

前に言ってたスタイルってこれなのね。



「お前、弱いくせに何度も挑んてくんな。疲れるだけ」


「るせえ!馬鹿!死ね!」


「俺が死んだらヒオリが困るんだよ」


「俺がいるから大丈夫だ!!!」



ガシャーン

皿が割れた。


「最悪・・・」


私は青ざめて割れたお皿へ向かった。


「ヒオリさん・・・」


「クレハちゃん?」


「もう、ナギ君に言ったらどうですか」


ドキン


「え・・・」


「ナギ君可哀想。あなたを信じてずっと好きなのに」


それは・・。


ナギを見ると、うっすらと涙目な気がする。


「ヒオリさんの事が終わらないと・・私、ナギ君が狙えないんです」


猫的発言だな。

獲物を狙ってるかの様に言ってきた。

鳥を狙う猫を脳裏に浮かべてしまった。



「クレハちゃん、ナギはきっとギンに対抗したくて私の事を好きって言ってるんだよ」


「え?なんですかそれ」


「センリが私が来る前から喧嘩ばっかりだったって言ってたし。あれだっていつもの事みたい」


私がそう言ってお皿を持ち上げると、クレハちゃんはそれを手で払った。


ガシャン。


「え・・・」


その音にギンとナギはピタリと止まった。