「さーって。話は終わり。行くぞ」


「え?へ?ちょ・・」


本気ですかこの旦那。


ギンは私の腕を引っ張り自分の部屋に向かう。


「や、ヤバいって・・まずいんだって」



いくら部屋だとしても変な声は筒抜けになるだろう。

一つ屋根の下なんだから。


「あぁっ・・め!」



びくっ


突然甲高い声が聞こえ、私は固まった。ギンも目を丸くしてる。


クレハちゃんの声!!



「ちょっと待って!駄目だってそれー!ああんっ」



なんの会話だ。


「やっ・・それは駄目!やだってばあっ・・やぁんっ」


なんかエロい。

更にクレハちゃんはもともとアニメ声だ。

ナギの声はまったく聞こえないが、クレハちゃんはだいぶ興奮している様子だ。

私は愕然としてしまった。

確かに、お盛んな思春期同士だけども。

でもそんな簡単に!!??




「そ、そんな・・クレハちゃん」


「ほらな。やる事やってんだって。行くぞ」


とギンはその事におかまいなしで私を引っ張った。


ナギとクレハちゃんが!?

嘘でしょおおおお!?



バタン。

ギンの部屋は閉められた。







トランプで勝負をしていたナギとクレハちゃんだということに、私は気づくわけもなかった。