センリはとても険しい顔をして言う。


「もう一度言うけど、本当に危険だ。俺はトキワ様のいう『裏政府』とやらにレーザーで殺されたんだろう?
だったら、お前達も危険だ。
近づくと命を落とす確率がぐんと上がるかもしれない」


「わかってる・・」



私はそのセンリの真剣さに生唾を飲み込んだ。

本気で言ってくれているのが伝わった。


「俺はヒオリを危険な目に合わせるつもりは一切ない。装置に近づかせたくないんだ」


「センリ・・」


「正直な気持ちだ。確かに俺がヒオリを呼んだかもしれない。
つまり俺の後ろにそれを承諾した者がいるってことだ。協力者が。だとすると・・装置はそいつの監視下にあるって事だ。危険すぎる」


ギンの目は更に鋭くセンリを睨みつけた。


「で?それは誰なんだよ?」


「わからないんだ・・今は」


「え?そうなの?」


「一緒に考古学をやっている誰かだとは思うけど・・今の俺には特定できない。記憶がないから」


「あ・・そうだよね」


「ちっ。めんどくさそうだな」


その為にセンリは殺されたって事?

記憶を抹消するために。

じゃあなんで今ここにセンリはいるんだろう?やっぱり誰かに泳がされてるって事?


「俺はそいつに生かされてるんだろ?だったら・・転がされて、逆に特定してやるつもりだ」


「え?それってセンリがまた危険な目に遭うよ」


「それはいいよ。自分がやった罪を償えるなら死んでもいいし」


「だ、駄目だよ!簡単に死ぬとか言っちゃ駄目だよっ」


私はテーブルに乗り出した。


「ヒオリ・・」


「センリが国の為に必死だったって事は解った。だけど自分を犠牲にしちゃ駄目だよ」


「本当に・・優しいんだなヒオリは。こんな俺にそんな事言うなんて」


ドキン

なにかまずい事を言ってしまったのか?私は・・。


センリの顔が辛そうに歪んだから。