懐かしいこの光景。

キッチンからリビングを眺めると、そこにはギンとセンリがいる。

ナギも自分の部屋にいるし、なんだかほんの少し前の感覚になった。

嬉しい。



「センリ、ご飯食べた?」


「いや・・」


「じゃあ食べて行けば?それくらいトキワ様も許してくれるよ」


「それは・・そうだが」


「帰れ帰れ」


ギンは不貞腐れている。


「もうギンてば。なんでそう意地悪なの?」


「お前こそ、なんでセンリにそんな優しいんだよ」


「はあ?」


優しい?

なんでそうなるの。ていうか、ギンはセンリとずっと一緒に暮らしてきたんだから別に今まで通りでいいじゃん。


「優しいとかじゃなくて、センリだって家に帰ってきたんだからいいじゃんそれくらい」


「ここはこいつの家じゃねえ」


「・・・」


ギン、酷い。

普通に酷くない?今の。

センリは一年前までの記憶しかないのに。




センリを見ると少し思い詰めた表情をしていた。

が、



「食べて行くよ」


「なんでそうなる!!」



あっけらかんとして席に着席した。

センリも負けず嫌いなのか。

どっちもどっちだな。