「クレハちゃん・・」


私が心配そうに見ていると、すぐにナギが気を利かせてくれた。


「あいつの気持ち解らなくもねえ。俺が見てくるよ。メシは後でいいから」


「ナギ・・うん。ありがとう」



センリはずっとその状況に首を傾げたまま立ち尽くしていた。


「俺が何かやらかした時にいた子か」


「・・そうだよ」


ギンはビールの缶をセンリに渡した。


「おい、この状況で飲めるわけないだろう」


「あそ。じゃあ返せよ」


とギンはその缶を開けた。

センリはため息をつくと私に目を合わせてきた。


「ヒオリ、行こう?」


「え・・・」


ドキン


センリが私に近づくと、すぐにそれをギンが遮る。


「今日はここで寝る。城へは明日行くから、そうトキワ様に伝えてくれよ」


「え?」


センリは私を見つめた。


「あ、あの・・明日ツカサさん達が来るんだ・・ここで待ち合わせをしていて
。皆で城に向かうつもりなの」


「・・ツカサ・・ああ、俺が拾ったスマホの持ち主か」


「そう・・だから・・その・・」



ええい、勇気を振り絞れ私。



「センリとは、行けない・・ごめん」


とギンの服の袖をつかんだ。