ガチャ。


「!?」


突然玄関が開く音が聞こえたので、その場にいた全員はピタリと止まった。


「え・・・」


「センリ!?」


「・・全く。何をやっているのかと思ったらのんびり夕飯か」


玄関から入ってきたのは城に向かったはずのセンリだった。


「なんで・・」


「なんでって・・ヒオリ達が遅いから心配して来たんだ。トキワ様も心配してたぞ」


「あ・・ごめん・・」



そうだった。

やはりこんなのんびりしていいわけがなかった。


「ん・・?そこの子は」


「・・・」


センリが首を傾げ見つめたのはクレハだった。


「な・・んで・・」


クレハは目を大きくして驚いている。

そうだ。センリが生きていた事を伝えてなかった。


「あ、クレハちゃん・・あのね」


「何が目的なの?この男!!」


とクレハは瞬時に猫へと変貌した。

毛を逆立たせている。


「落ち着けクレハ」


ナギが言っても効果なし。

警戒心むき出してしっぽを立てている。


「なんでみんなは平気なわけ!?あたしは吐き気すらするってのに!!」


とそのまま一番奥にあるナギの部屋へと駆けていった。