「あー・・ヒオリ、おい?」


耐えかねてギンは私の手を解いた。


「どうした?いつものお前らしくないってーか・・・」


「・・るさいなぁ」


顔を真っ赤にして私は鼻息をつく。

ギンの体から背を向けた。こんな情けない顔見られたくない。


「なんでもない・・」



私だって変だと思うよ。

ギンなんかに抱き着いて、離れたくないって思って、この人の事が欲しいって。

ん?えと、これって・・恋に恋してる感じなの?

ヤバい、自分でもヤバいと思う。


急に恥ずかしくなって手で顔を覆った。


「はぁ・・・ちょっと見ないで///」


「お前、マジかよ」


ギンが驚いた顔で私を覗き込んできたので3歩離れた。




「可愛すぎか」

「へ・・?」


ガバッ

と突然ギンは私を抱き上げた。


「なっ・・ななっ!?」


お姫様抱っこだ。

驚いたし慌てたわ。


ギンは私を抱き上げたまま玄関へ向かう。


「な?何?どうしたの?」


ギンは無言のまま私を玄関に降ろすと鳥に変身した。


「!?」


訳もわからずじまい。

何処に行く気なのこの人。


「ちょっとだけ、我慢な」


「え?えええ!?」


その大きな爪で私を掴むと空へ飛びあがった。



ひえええええ!?

ギン、ご乱心ですかああああ!?

怖ええええええええっ