ちらっ

とギンは少しだけ顔を上げて私の顔を伺ってる。

いつも強気な眉が困ってる。


そんな顔しないでよ。

悲しくなる。


「やっと・・俺に運が回ってきたと思ったのにな」


「え・・」


「だって」


頭を右手で抱かれ引き寄せられる。


「やっと、お前が手に入ったのに」


「ん・・」


ギンの唇が私の頬を捕らえたかと思うと、すぐに唇へと重なった。


「ギン・・」


「いや、わかっちゃいるんだ。けど・・なんか、やっぱ辛いな」


と言ってすぐに離れた。


「ギン・・ごめ・・あの・・」


「いいよ。もう、何も言うなよ」


うん、気の利いたことなんか言えない。

だから私は手を握った。

ギンの大きな手を。