ナギを見ると、私から目を背けた。


「・・・」


でも思ったよりは平気そう。

良かった。

思いこみ激しくて自傷行為とかしてると勝手に思い込んでいた私だ。


「ナギ、帰ろ?」


「は?家はここだ」


「そうなんだけど・・」


「あの、こっちへ」


クレハちゃんはナギから離れ、私をナギの近くへ促してくれた。

近くによるとナギは凄く傷ついた目をしてるのがわかる。

必死に平気そうに装っているが。



私はナギの肩に手を添えようとしたんだけど、拒否された。


「俺は・・ヒオリを傷つけた。もう・・近寄れない」


「え?何それ」


「俺は役立たずだ。誰からも必要とされないし、頑張れば痛い目を見る。もう嫌なんだ全部」


「ナギ」


典型的なネガティブ発言だ。

私も経験あるよナギ。

だからこそわかる。



「ナギ!」


ビクッ


ナギは身をすくませた。


「私は、ナギがいつも懸命だって一番知ってる!ギンよりも知ってる!」


「なぬ」


私の発言にギンは驚いてる。


「いつも私の傍にいて、私を普通でいさせてくれてるのはナギなんだよ!?
私の事を毎日助けてくれてるのは、ナギなんだよ!?」


「ヒオリ・・」


私の必死の訴えにナギは顔を上げてくれた。


「どこが役立たずなの?私はナギが必要だし、頑張ったら頑張った分だけ嬉しいんだよ!?」


「・・・でも・・」


唇を震わせ、ナギは今にも泣きそうなのを堪えてる。


「感情的になったのだって、私の為なんでしょ?だったら、私は素直に嬉しいのに」


思わず抱きしめたよ。

その強がってる顔、可愛すぎる。

・・って言ったら失礼かな。

ナギは私に似てるんだ。だからとっても気持ちがわかるんだよ。



「勝手に居なくならないで!私も勝手な行動しない。ちゃんと相談する!
気を付けるから・・ナギがいないと私、困るよ」


「ヒオリ・・」


「ごめんね、ナギ。わたしのせいで・・」



沢山傷つけちゃったね。



「なんでお前が謝るんだ」


とナギは私を抱きしめ返してくれた。


そしてナギは頭を私の胸に埋めた。


「はー。このちっぱいが落ち着く」


おい。

相変わらずの対応だな。

でも、なんだか私も落ち着く(笑)