こそこそ・・と私は慣れない忍び足で廊下を歩く。


しかし隠れる場所がわからない。この家の何処が安全なのか全く知らない。


自分が寝ていたベッドのある部屋は最も危険な気がする。

ギンの部屋の隣だし。


どうすりゃいいのおおおっ


と振り返った瞬間、カサネと目が合ってしまった。


「あ!!!!」


とカサネの大きな声が響いた。


「むぐうううっ」


瞬時にギンがカサネの口を塞ぐ。

私は慌てて一番奥にある部屋に向かった。

もがくカサネを必死に抑え込むギン。


「カサネ―ぇ・・・良い子にしてないと、永遠に眠る事になるぞー?俺の手で!本望か?あ?どうだ?」


「ほ・・ほんもうでしゅ・・」


ドカッ!!



ギンは怒りのあまりにカサネの腹を殴った。

私を守るため自分はセンリにゲイにされてしまったのだ。

誰かに当たらずにはいられない。



区長が振り向く。



「どうした?」


「いえ、カサネが眠いって言うんで。寝かせました」


「ほう」



カツン


と私は一度だけ足音を立ててしまったが、なんとか見つからず奥の部屋に入る事が出来た。

きょろきょろと慌てて部屋を見渡した。



後は入れる大きさの棚やクローゼットがあればなんとかなるかも!?