東の国へ向かうために空を飛んでいる馬車の中、向かい側にはトキワ様。

私の横にはギンが座っている。

ギンは窓から外を眺めるふりをしてニヤニヤと面白がってる。

私はジッと俯いて我慢している。


ドキドキドキドキ

私の心臓はもうすぐ止まるんじゃないだろうか。

ずっとフル回転してる感じなんですけど。


「ヒオリ?どうした?」


「え?いいえ」


とトキワ様の問いかけに平気なそぶりを必死に演じた。

何故かというと、

私のひざにはひざ掛けがしてあって手を入れてたんだけど、隣にいるギンが小指をちょっとずつからめてきた。

ひざ掛けの中で。


馬鹿ギン!!

バレたら洒落にならないってーの!!


私の顔は真っ赤だ。平気な顔出来る訳ない。

器用じゃないんだから。

トキワ様が真面目に心配してくれている。


「顔が赤いが・・熱でもあるんじゃないか?」


「あ、いえ・・えっと、もしかしたらあるか・・も」


「クク・・」


あ、今ギン笑った。

許さん。

誰のせいでこうなってるんじゃ!!

こうなったら!


「トキワ様の隣がいいです!」


「・・どうした突然」


私は無理矢理トキワ様の横に座った。

ギンはその行動にショックを受けているみたい。

急にしゅんとしてた。

知らん。

私は怒った。ぷりぷり。