「隙あり」

「えっ?・・んっ」


下から顔が迫ってきて、ギンの唇が私の唇にくっついた。


「ふっ・・・」


胸が苦しい。

でも・・なんだこれ・・今まで感じたことのないキスだ。とても気持ちいい。


「ん・・・」


思わず私はギンの服を握りしめた。

ギンは唇を離すと至近距離でそのまま小さくつぶやく。


「何?いつもみたいに嫌がんねーの?」


ドキン


ギンの低くて響く声が脳天まで届く。

吐息交じりの声が心に響く。


「じゃ、もっとするよ」


「ん・・ギ・・っ・・」


ちゅ。

ちゅ。

って何回もされるキスは温かくて優しくて、柔らかい。


される度、体が痺れる。

じんじんして、動けなくなった。


「は・・息、できない・・」


「俺も・・はぁ・・」


息が熱くなってぶつかり合う。



ヤバい。

私・・・コレ。



「なぁ・・俺、今・・すっげぇ幸せなんだけど」


色味を帯びた低い声で耳元で囁かれ、ビクンと体が震え熱くなる。


「ギ・・・」


腰をぐいっと持ち上げられ、しっかりと抱きしめられる。


「俺はお前が好きだ・・お前はどう思ってる・・?」


そう聞かれ顔を背けるのが精一杯。


「・・わかんないよ・・」

「は?嘘だろ。これでなんとも思ってないって言うんなら、お前よっぽど男ったらしだぜ」

「ち、ちが・・恥ずかしいしっ・・その・・」



髪をかき上げられ、頬を持ち上げられる。


「言うまでコレ続けるけど?永遠に。」


ちゅっ。


まるで心を見透かされている様だ。ギンは嬉しそうに笑っている。


「ふ・・待って・・」

「待たない」


だってこれを認めたら、私・・トキワ様になんて言えばいいの。
これからどうなってしまう?トキワ様を怒らせてギンを危ない目に合わせてしまうかもしれないのに。
そんなの嫌なのに。



ギンは戸惑っている私の様子を伺って、唐突に問題を出してきた。


「問題です。キスを下から読むと?」


「え?スキ?」


「良く言えました」


「ええええっ!?」


小学生かあんたわああああっ

引っかかった私も恥ずかしいいいいいっ///


「ヒオリ!」

いつぞやみたいに、ギンは嬉しそうに目をキラキラしている。


「好きだヒオリ・・すっげー好き」


「ギン・・ぅ・・ぅん。」


でも、心が認めた。






私、ギンの事好きになってしまったんだ。