私はセンリのいる牢屋から自分の部屋に引き返していた。

センリはあまり口を開いてくれる訳もなく。

しょんぼりして廊下をトボトボと歩いていると、慌てている見張りの兵士さんとギンがいた。

流石にギンも怒っている様子だ。


「ギン・・」


「お前、何処行ってたんだ!大事になってる!」


「ごめん・・なさい」


私は深くお辞儀した。

見張りの人が青ざめていたから。

センリに逢ったのはほんの10分くらいだったけど、凄く長い時間に感じた。


「あれ、ギンてそう言えば街にマンション借りてなかった?」


「あ?・・まあ、あれだ。夜勤」


と分が悪そう。

とすかさず見張りの人が。


「え?夜勤じゃないですよね?ギンさんはヒオリ様を心配して今日はずっといましたよね。
たまたまさっきいなかっただけで」


「え・・」


「馬鹿、言うな。カッコ悪いだろうが」


そう言う事か。

なんだ、別にカッコ悪くなんかない。

むしろ嬉しい。

私は素直にお礼を言った。


「ありがと、ギン」


「あ、ああ」


と頬を掻き照れくさそうにしている。