「私、センリの言う事を聞いてもいい。だから、今後は過去から人間を呼び寄せないで欲しい。
それを止めて欲しい!」


「何?」


センリの眉間にしわが寄った。

私は訴えた。今思っている気持ちを。


「日輪が危ないって事は知ってる。センリが言ってたから。この国の為に誰かが手を汚さないといけないって・・・
でも、過去の人はやっぱりその時代で暮らすべき。私はそう思う。
人の人生を捻じ曲げるくらいなら・・日輪は滅ぶべきだよ」


「お前・・・」


「センリが知っている事を全部教えて欲しい」


「・・・首を突っ込めば命はない。俺の様に殺されるぞ」


「なんとしても転送は止めなきゃ」


鉄格子を力いっぱいに握って訴えた。


「力を貸してセンリ、私と取り引きして・・あなたには責任があるよね?」


「・・・」



溜まった涙を私は拭わなかった。

欲張ったな私。


ただ、会いたかっただけなのに。

使命感にかられちゃったよ。

自分で何が出来るって訳じゃないのに。

でも、これが今私にやれること。

ツカサさんや他の被害者の為に。