「行け。城で迷子になられるのも困る」


「は、はい」


涙を堪えながらツムギさん達はツカサさんを追いかけて行った。


「やれやれ・・色恋沙汰は面倒だな。ヒオリ」


「え・・は、はぁ・・」



あなたがそれをおっしゃいますか。

私も同じ様な立場なんですけど。


トキワ、ギン、ナギ。

このトライアングル、めちゃ居心地悪い。


「時空転送の事もあるが、センリの遺体の件もある」


「ええ」


「この組織が回収したと私は思うが」


「俺もです」


それは全員が頷いた。


「危ない橋は渡りたくないだろう?お前達も」


「どうするか・・」


全員で私を見てきたので、私はビクついた。

驚くって。

3人にしかめっ面で見られたら。


「ヒオリはどう思う?センリの事・・」


「確かに・・遺体がが何処かに行ったのは気になるんですけど・・」



私は目を閉じ、勇気を出した。


「今後も過去から訳も分からずこの時代に飛ばされてしまう人がいるって事ですよね!?
それを止めなきゃって思います」


「大きく出たな。一番ビビりなのに」


ナギがニヤついてる。


「だって・・こんな不幸、私だけでいいよ・・」


「ヒオリ・・」


静まり返った皆を見て私は慌ててフォローした。


「あ、今はね不幸じゃないよ?だって、私にはこんなに沢山信頼できる人がいて、守ってもらう事も出来るし、逆に贅沢すぎ・・」


「フ・・」


私がそう言うと、王様は嬉しそうに頭を撫でてくれた。

いつもみたいに。


「私も帰りたいって思った事ある。だけど、皆の事が好きになっちゃったから・・過去の人生よりも今が大事というか・・」


「お前がそんな事をいうなんて・・」


3人はきょとんとしている。



「私にだって友達いっぱいいるし、やってみたいことだってあったよ!本当だよ!現実逃避じゃないよ!?」


って言ったらそう聞こえるかも。


でも、本音だもん。仕方ないよ。


「でも、これも運命だってセンリに言われたから・・そうしてみようかなって」


「あーーーー。またセンリかよ。クソが」


「え、ナギ」


「確かに、死んだ奴にはかなわないってよく言うしな。呆れるぜ」


「え、ギン」


「まあ、結果良しとしよう。今後はセンリ以上に愛せばいいだけの話だ」


「へ?トキワ様・・」


なんか、言っちゃまずい事いったらしい。

わからんけど。

凄い残念がってる皆、どうして?