「と、城の書斎にはこのくらいにしか手がかりは無かったのだが。イタルの方はどうだった?」


「は、失礼いたします」


イタルさんはとても堅く緊張しているみたい。

それはそうだよね。

つい数日前までは東の王に仕えていたのに。

突然身の上が変わって。


イタルは束の紙を王の前に用意した。


「一切、中身は見ておりません」


「ふむ・・」


とトキワ様は書類を私達に半分くれた。


「お前達も手伝ってくれ。これでは夜が明ける」


「はい!」



私達は手分けしてめぼしい書類がないかを探す。


と言っても私には文字があんまり読めない。悲しい。

足手まといにならないかしら。


と一枚適当に探すふりをして持ち上げる。


「ヒオリ、それ・・」


「え?」


ギンが食い入るように見ていたので渡した。

気になる事でもあったかな?


「ギン、読んでみてよ」


「ああ・・・」