私達は城下町へと下りた。

道路には通行人がいるんだけど、女の人も結構いる。


「街に若い女がいるなんてなんだか新鮮だな」


とナギはキョロキョロ。

ギンも嬉しそうだ。


「そうなんだよ。最近の東の国ではあり得ない光景だったから、俺も久しぶりに見る」


「へーぇ」


私にとっては普通の光景でも二人にとっては新鮮なのね。

鼻の下も若干伸びている気がする。まったく。

強いて言えば、人間に混じって半獣の人が歩いているから私にとっては違和感なんだけど。


それを除けばいたって普通の光景だ。


「それくらい西の国は平和って事?」


「まあ、東は世界でも一番粗悪だったぜ。ランキング一位」


「だろうね、あのやり方じゃ」


強く頷いた。


「ツカサさん達は何処にいるって?」


「なんでも宿屋に宿泊は止めて、最近部屋を一つ借りて4人で住んでるらしい」


わあ。

なんだか想像できる。

喧嘩な毎日、ハハ。こわ。


「元気かな」


「だろうな」


と歩いていると、曲がり角から女性がぶつかってきた。



「あ!」

「あっ」


ドンッ



「ごめんなさい、大丈夫ですか!?」


「あ、はい!すみません!!」


と女性はバタバタと慌てて走っていった。

まるで逃げていた様な。

黒髪の長い30代くらいの女性だった。


「あ、落とし物・・」


私の足のところにその人が落としたであろうメモ帳があった。


「え・・・?」


この時代の文字じゃなかったから驚きだ。


「今の人・・」


私の勘が言っている。

もしかして、と。


メモ帳をパラパラと開く文字が書いてある。


「よ、読めるーーーーーーーっ」


私は思わず発狂した。