ギンの力が強くて、私は身動きが取れない状態だ。


「は、離して」


「落ち着くまでこうしてる。お前は俺のもんだし」


「は?まだそんな事言ってるの?彼女いるよね?」


「え?ギンに彼女?」


私はギンの事を好きな女性を見た。この目で。

ていうかまだ俺のもんて言ってる。

許せん。


「見たもん。家に入ってきて、ワーワー言って、最後に好きとか言われてたし」


「カサネの事?」


「あ、そうそう!ほらやっぱ・・」


「いやいやいやいやいや」
「ないないないないない」


全否定だ。


しかも何故かセンリも声を揃えて。


「あれは、男」

「は?」


懸命に容姿を思い出す私。

身長155センチくらいでフリフリのフリルのスカート履いてた。

足も細くて綺麗な女子って感じだった。



「男だよカサネ」


「はあ?あんな声も可愛くてぶりぶりして」


「昔からいるだろ?そういう生き物」


「生き物って・・失礼だよ!!」


「体は男、心は女ってな。結構多いよ。むしろめちゃ多い。この世界は大半が男だから」


センリも当然の様にうなずく。