「何やら騒がしいな」


ドキン


一同はピタリと固まった。


王が部屋に入ってきたからだ。


「王様、なんだか久しぶりですね」


「そうだな。ここ一週間は忙しすぎてな、誰かに肩でも揉んでもらいたい気分だ」


「爺か」


ナギ!この怖い物知らず!

王はあんたの何倍も仕事してるんですけど!?



王は私の横に当然の様に着席した。

そしてギンとナギの不機嫌そうな顔ときたら。

逃げ出したい。



「お前達、今後どうするか決まったか?」


という王の問いに、二人はすぐに頷いた。


「ヒオリの傍でヒオリを守る。色んな害からな」


棘があるってその言い方。

王様も含んでないそれ!?


「そうか、まあいいだろう。だが、城にとどめておく気はない。お前達は街で住むところを決めよ」


「!」


そりゃそうだ。王も対抗意識が半端ないっす。

ああ、板挟み状態。


「あ、あの、私も・・」


「それは駄目だ。言ったろう?センリの為にもお前はここにいろ」


やっぱりそうなるのね。


ギンは真面目な顔でキレている。

いや真面目ではないかな。怖い顔してるし。


「センリの件は?」


「まだわからん。内密に捜索している」


「ふうん・・」


ナギの態度もヒヤヒヤものだ。

私がなんでこんな気苦労しないといけないのか。

もうやんなっちゃう。