そうだ、お礼と言わないと。


「あの、シズクちゃん。あの時はありがとう。私の代わりに飲んでくれて」


「あ・・は、はい、その話は・・」


バレたらマズイのか。

シズクちゃんは困った顔で目をキョロキョロと背けている。

私は察して声を小さくした。


「あ、ごめん。でもすごく助かったよ。その後解毒剤飲んで記憶全部取り戻せたんだ」


「ほんまですか!?それは良かったです」


パッと目をキラキラ変換。

相変わらず可愛ええなシズクちゃん。



「ナギはね、東の国で私と一緒に住んでた家族みたいな関係の人だよ。
記憶障害から助けてくれたんだよ」


「へぇ・・そうだったんですかあ」


と一転してシズクちゃんは尊敬の眼差しをナギに向けた。


「なんだよ、見んな」


「もう、ナギったら口悪すぎ。目つきも悪すぎ。シズクちゃん7才なんだよ?」


「ふん・・」


しかも女の子なのに。

まあ出会った時殺されそうになった私からすればマシな方か。

きっと人見知りが激しいんだ昔から。



「仲良くしてね」


「わかりました!ナギ、よろしくお願いいたします」


深々とお辞儀をされ、ナギは目を逸らした。


「シズクちゃんは私のお世話をしてくれた侍女さんなんだよ」


「まあ、ヒオリが言うなら仲良くしてやってもいい」


ナギ。

不器用にもほどがあるわ。

というか、照れてるのかも?


相変わらずだけどなんかある意味ホッとするわ。