王は私達を城まで連れてきた後にすぐに政務の仕事に向かったので今は私とナギしかいない。

ツカサさんやツムギさん達は街で待機したいとか言って行っちゃったんだ。


ギンとカサネさんが来るのを待っている事しか出来ない。

カサネさんが動けるようになるには結構な日にちを費やすだろうな。

ちょっぴり寂しい。


私とナギはシズクちゃんに促されて以前に寝泊まりしていたお部屋へ通された。


「どうぞ、こちらへおかけください」


近くにあった座布団に座った。

ナギは新鮮なんだろうか、部屋をキョロキョロと見回している。


「ナギ、どうしたの?」


「・・なんか見慣れないからな。これが和室ってやつか」


確かに東の国では見た事ないもんね。畳とか障子とか。


「どうぞ。お抹茶と、くり羊羹です」


と目の前に差し出され、おずおずとナギはお茶を飲んだ。


「・・・・」


顔色が変だぞナギ・・歪んでいるぞナギ。


「こんなの飲んでるのかよ・・西は」


「これが基本です」


「とことん合う気がしねぇ」


おこちゃまにはまだ早かった様だ。


「もう、そんな事言わないの。そのうち慣れてくるから」


「変な薬入ってんじゃねえだろうな?」


というナギの言葉にかちんと来たシズクちゃんだ。


「失礼な!これはちゃんとお毒見しました。前の様な事は・・・あっと」


前というのは薬湯の件だろう。

シズクちゃんは慌てて手で口を覆った。