王は私の頭をよしよしと撫でる。


「わかった。だが・・・ヒオリは私と来てもらうぞ」


「え!?」


「センリの忘れ形見の様な者だ。その辺に放置するわけにはいかん」


「で、でも私・・王様とは・・・」


どうしよう、頑張れ私!言っちゃえ!!


「け、結婚は出来ません・・」


「ヒオリ・・」


ドキドキドキドキ


怒りを買ってしまうのではないかとヒヤヒヤしながら言ってみた。


しん。


と一瞬間があったが、その後に優しい笑い声が聞こえてきた。


「フ・・その件は今はいい。私は待つ。お前が私を受け入れるまで」


「お、王様・・」


私は安堵したが、後ろではギンとナギが目に火花を散らせていた。

見ないふり、見ないふり。

ややこしくなるからね。


「今までの非礼は詫びよう。お前達にも」


とギンとナギに向かって王は言った。


「お前達は、ヒオリをただ守りたかっただけであろう?」


「・・・」


「私とセンリも同じだった。ヒオリを近くで守りたかっただけだ」


「王様・・」


な、なんて寛大なんだ。

生まれ持った器なんだろうか。

王から詫びてくるなんて。

王って謝らないっていう勝手な先入観があったから。


「ヒオリを呼んだのはセンリ。センリは私の為に手を汚した。
ならば、センリのしたことも私が責任をとろう」



ぐはっ

なんだこの人。

ただのいい人か。

確かにセンリの言った通り、真っ先に出会ってたらすぐに惚れてるかもしれない。

ってどんだけ単純なんだ私は。