「センリは国の事で色々な機関に内通している。もしかすると・・・」


ゴクリ。

流石西の王、センリの事はなんでも知っている。


「だがお前達には関係のない事だ。センリの事は忘れよ」


「え!?」


そんなあっさり!?

一番の家臣だったんじゃないの?


とても静かに決断を下され、皆たじろぐ。


「納得できない。お前、センリの事どうでもいいのかよ」


ナギが食い下がる。


「いや、どうでもいい事ではない。お前達には荷が重いと言っている」


「え・・・」



やっぱり何か知っているのかも知れない。


私は勢い任せで王のもとへ近づいた。


「王様、教えてください!センリの事何か知っているのなら・・」


「ヒオリ・・」


「あんな・・暗殺みたいな殺されかたしたのに弔う事も出来ないなんて・・」


「どういう事だ?」


「センリの亡骸はこの教会に安置していました。王様に会わせてあげたくて・・でも誰かに攫われて・・・」


「攫われた・・」



歯止めが効かず、王の前で感情的になってしまった。


「センリが可哀想です!」


「・・・お前は優しいのだな。センリに裏切られたと言っていたではないか」


「はい・・でも、センリは死ぬ間際に伝えてくれました。本当はどう思っていたのかを」


「・・・」


だから全部許せた。

今度こそセンリは嘘なんかついていなかったって思えたから。