面会も終わり、私達は昨日から泊っている宿に戻った。


ツムギさん達はアサギさんの家に待機しているらしい。


「あいつら、どうしてるかな」


「うん、センリを失ってまた振り出しに戻ったからな・・」


「おい」


ギンはナギの口を手で押さえる。

きっと私を気遣ってくれたのだろう。

センリの名前を聞くと、またあのシーンを思い出してしまうと思って。


「ギン、ナギ、ありがとう・・・」


私は二人の後ろを歩きながらそのままお礼を言った。


「もう、大丈夫だから・・」


それを聞いて二人はホッとした顔をした。

ようやくちゃんと声を出せたから。


「心配かけてごめん」


と言うと、二人は私の手を握ってくれた。


「お前のペースでいいんだよ。無理すんな」


「ギン・・」


「俺はあんなに憎かったけど、あいつの最期見たら楽しかった頃に戻れたらどんなに嬉しいかって、お前と同じ気持ちだったよ」


「・・・」


「俺だってそうだ。あいつがここにいないとしっくりこない。だから、俺はセンリを殺した奴を許さない」


「ナギ・・」


「ずっと・・あいつは俺達の家族だよ」


「うん・・ぅ・・」


ああ、やっぱりまた泣いちゃうじゃん。

二人も同じ気持ちでいてくれたんだね。



ギンは私の涙を袖でゴシゴシと拭った。


「前に進もう」


「・・うん」



ありがとう。

ギン、ナギ。