そのまま眠らずに夜を過ごし、あっという間に次の日を迎えた。

その日は曇り空。

いつ降り出すかわからないくらい空はどんよりとしていた。


「ヒオリ、何か食べないと」


「・・・」


首を横に振る。

食欲なんて出る訳がなかった。


ギンとナギがずっと傍にいてくれる。

でも、私はずっとセンリの事を思い浮かべていた。


「ヒオリ、カサネに・・逢いに行こう?」


「カサネ・・さん」


「そう。昨日は面会謝絶だったけど、もしかしたら今日は会えるかもしれねえよ?」


「ん・・」


私は頷いて立ち上がった。


「ゆっくり行こう」


二人は私の手を取ってくれた。