それから私は記憶がない。

何も考えずにずっとセンリの前に座っていたんだと思う。

気が付いたらいつの間にか街の宿にいて、ベッドに座っていたんだ。

時間の感覚も解らなくて、ただずっと静かに座ってた。


「ヒオリ」


ナギが私の横で心配そうな顔をしている。

手をずっと握ってくれてた。


「なんで・・センリが」


と呟く私に、ナギは何も答えずに付いていてくれた。



死ぬ理由なんてない。

確かに私は裏切られたり、カサネさんも酷い目にあった。

でも、死ぬ必要なんてない。

突然殺されたのはなんで?

どうしてなの?



見つからない理由を頭の中で何回も何回もループし続けた。