「ギンお願い!センリを病院へ連れて行って」

「ヒオリ・・」


ぐしゃぐしゃな顔で私は懇願した。

でもギンはセンリを見つめたまま動こうとはしなかった。


「・・センリはもう」


「ぇ・・」


ギンからそんな言葉が出てくるなんて思わなかった。

どういう意味で言ったの?

助からないと思ってる?

それとも憎いから?

死んでも仕方ないって思ってる?



皆の顔を見渡すと、皆同じような曇った顔で俯いていた。


「レーザーで焼かれた傷は、あの病院じゃ治せない」


「大きいな所へは行けないの?」


「時間が・・足りねぇ・・」



と、ギンは私から目を背けてしまった。


「ど、どうして・・こんな・・ぁ!!」


センリを見ると、目を閉じ静かになっていた。

まるで眠っている様に。


「センリ・・・嘘・・やだよセンリ・・」


「・・・」


ナギも目を逸らし、頬を涙で濡らしていた。

私は崩れ落ちて動けなくなってしまった。


「センリ・・起きてよセンリぃ・・」




すでにセンリの呼吸が止まっていたのを、私は認める事が出来なかったんだ。