俯きながらセンリは言った。

「お前のせいで全部台無しだよ。ギン」


「はあ!?」


「俺がヒオリを呼び寄せた日、すぐに探知して保護するハズだった。向かっていたんだ。
だがお前がヒオリを先に見つけてしまった。偶然にな」


「・・・。」


「俺の計画では・・この世界を何も知らないヒオリを、トキワ様のもとにすぐに連れて行くつもりだった。
そうしたらきっとヒオリはトキワ様を好きになっていたハズなんだ。あの方はおおらかで優しくていい人だったろ?ヒオリ」


「そ、それは・・どうなるかわかんないけど」


「俺はトキワ様の為にお前を呼んだんだ。二人が幸せに暮らせるようにと・・」


確かにそれはまんまとハマってしまうかもしれない。

現に王様は穏やかで優しくしてくれたし、センリにとってはハッピーエンドだったんだね。その計画。

その前にギンが私を見つけてしまったと。


「そ、そんなの知るか!!」

「しかもナギがヒオリにケガを負わせる始末で」

「う・・」


ナギも少しダメージを食らっている様だ。


「あの家にとどめてしまったのが、間違いだった・・」


「そんなのお前の失態だろうが」


「そうだ。俺の失態だ・・」


とセンリは私を見つめた。