「必死だった。この国を導くために」


「え・・」


「最新の研究結果で、今後更に女性は減っていく。滅びに向かっている。日輪は終わる」


日本、終わっちゃうの?


「だから、必死だった。なんでも良かったよ。自分勝手だ。そんなのわかってる。
でも誰かが自分の手を汚さないと・・
この国は終わるんだ」


「そ・・んな」


センリは乾いた笑いをする。

でもその笑いはきっと嘘で、切ない顔で真っすぐ私を見つめてくる。


「ヒオリ」


「え?」


「こんな世界滅んじゃえって思っているか?2018年の人間だから関係ないと?」


ドキン


センリにそう言われ身体が固まった。

国が滅ぶなんて想像も出来ないし。私にはわからないよ。

私はどう答えたらいいかわからずに目を背けた。


「そういう話は・・わかんないよ」


「そうだよな。ごめん。つい・・でも知って欲しかった。この世界の現状を」


「センリ・・」


自分の知っているセンリの話し方だった。

あの家にいた頃に戻った錯覚になった。


「今まで騙していてごめん。トキワ様の事もごめん。
全部・・何回謝っても許してはもらえないだろうけど」


「セ・・」


「ああ、そうだよ!!!」



とギンが私を自分の後ろに隠した。


「またそうやってヒオリの心につけこんで騙すってんだろ!?そういうやつだもんなお前!!」


「ギン・・」


歯をギリギリとさせながら、ギンはセンリを睨み続ける。