私はセンリに近づいた。


「ば、馬鹿!ヒオリ」


ナギの言葉を遮って。


そしてセンリの目の前に立った。


「ヒオリ・・」


「センリ。私は王のとこには戻らないよ。戻りたくない」


「・・・」


センリの憂いに満ちた目を見て、私は動揺する。

でも、大きく息を吸って自分を保った。


「センリのやっている事は、自分勝手だ。
私は2018年の人間だし、ここにはいちゃいけない存在なのに」


「・・・」


何か思い詰めている様に見える。


「だからもう私を自由にしてください。ツカサさんも2017年に帰してあげて」


「俺は・・」


とセンリは力なく空を仰ぐ。