テントの前に、ぐったりとした姿のセンリと他の兵士達がいた。


ドクン


ドクン


私の脈がどんどん速くなる。


センリの前にはツカサさん達4人が立っていた。


「ただいま」


とナギが言うと皆振り向いた。


皆暗い表情だ。


「どうした?」


「いや、案の定何も教えてくれなくて」


時空転送装置の事を聞き出そうとしたが、そう簡単に教えてもらえる訳が無かった。


「センリ・・・」


私はギンが飛び出さない様に腕をしっかりと掴んだまま、名前を呼んだ。

センリも応える様に小さな声で私を呼んだ。


「・・ヒオリ・・」


ドキン


乱れた前髪から片方だけ目が見えた。


目が合う。

今にも泣きそうになったけど、グッと我慢だ。


「ヒオリ、一緒に行こう・・」


「まだそんな事言ってんのかよ・・」


とナギは悔しそうな顔で言った。

殴りたくて仕方ないという顔だったが、ナギも必死に堪えてくれていた様だ。